メゾンドゥニコラ大井 / 2021

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データ

所在地:東京都品川区大井
敷地面積:373.59
用 途:共同住宅(賃貸40戸)・店舗
    ワンルーム(22.90㎡~26.63㎡):36戸、1LDK40.24㎡~58.13㎡):4
階 数:地上9階・地下0
高 さ:最高の高さ29.523
構 造:鉄筋コンクリート造、耐火構造
建築面積:231.86
延床面積:1,457.31㎡(容積対象1,205.69㎡)
設計担当:土居志朗(統括)
※イデア建築研究所と協働

北向きの賃貸マンションの設計事例である。日本では住宅は南向きが良いとされているが、どんな敷地でもそのように建てられる訳ではない。安定した自然光や日射熱軽減(夏の涼しさ)、順光の眺望(南向きは逆光となる)など北向きにもメリットはある。敷地条件を活かしてデメリットとされる暗さ、湿気、冬の寒さをいかに克服し、土地有効活用の賃貸マンションとして売り物に出来るか、魅力ある景観とできるかを考えた。

敷地は北側接道の南北に縦長な形なので、東西の隣地側には窓を向けられず、南面住戸の片廊下型では敷地形状との関係で有効率が上がらない。北側の前面道路は幅員15mと広く、T字路の交差点に面している為、北向きでも眺めの良い開放感ある住戸になるのではないかと考え、北側と南側に住戸を並べる中廊下形式のプランとした。北向き住戸が全体の半数に及び、北面のバルコニーの明るさや通気性を工夫して設計した。

バルコニーの片持ちスラブの先端は鉄筋コンクリートの腰壁や側溝の立ち上がりを設けず、代わりに軒樋を片持ちスラブ先端下部に取り付けた。手摺壁は視線や風が抜けて明るく透明感ある有孔折板とし、下地鉄骨や床の立ち上がりがなく視界がクリアになるような納まりとした。

亜鉛めっき仕上げの有孔折板は、対面の日光を受けた建物からの反射光(色)が映り込み明るく見える。また、有孔折板の波形と孔による環境光の異なる角度の反射と透過や太陽の位置や視点によって表情が変化するバルコニーのパネルがファサードを特徴付けている。

その他、1階には住戸を設けず階高を上げてピロティや店舗を配置して北向きの路面も明るく開放的にし、最上階の住戸はペントハウスやハイサイドライトによって各住戸が南面する窓を持つように設計した。また、冬の寒さには断熱と暖房を、北向き住戸の洗濯干し問題には浴室乾燥機を設けることで対応した。北向き住戸でも結果的には引渡し後すぐに満室となった。

コンクリート打放しに押出成形セメント板の外装は構造を素直に表現したもので、壁厚を薄くし貸し手の有効率と借り手の内部空間双方を少しでも大きくする効果もある。ごく一般的な材料で特徴的な外観を狙ったのは不易流行や侘び寂びの精神を現代的に解釈したものであるが、地元のご婦人から「明るくて素敵なのが出来たわね!」とお声掛けいただいたのは設計者として何より嬉しい出来事であった。

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Maison De Nicolas Oi (2021)

Location:Oi, Shinagawa-ku, Tokyo
Main use:Apartment(40 units of housing), Shop
Site area : 373.59 sq.m
Total floor area : 1,457.31 sq.m
Building height : 29.523m (9 stories)
Completion : 2021